
医療脱毛で蓄熱式、熱破壊式の違いがよくわからない方へ。
医療脱毛のホームページをみるとそのクリニックで使用している機械についても紹介するクリニックが増えました。そのようなページには脱毛の方式として、「熱破壊式」「蓄熱式」というワードが書いてあると思います。今回はこちらについて説明してみます。
レーザー脱毛の方法は大きく分けると2つしかありません
それが今回解説する「熱破壊式」と「蓄熱式」です。
熱破壊式
「熱破壊式」はその名の通り、毛根そのものをレーザーの熱の力で焼いてしまいます。こちらの方が歴史は古く、蓄熱式が出てくる以前はこちらの方法しかありませんでした。直接毛根を破壊するので、上手くレーザーが当たった場合は、半永久的に脱毛効果が期待出来ます。
しかしデメリットもいくつかあります。
1つ目は痛みが強いことです。毛根周囲の毛を作る細胞(毛包幹細胞)を熱で破壊するために、ある程度強い力でレーザーを当てる必要があります。レーザーは基本的に黒い色に反応するので、皮膚の色が薄い部位はまだましですが、皮膚の色が濃いVIOは、毛以外の皮膚にもレーザーが反応するので、痛みがかなり強いです。
2つ目はレーザー照射できる範囲がせまく、またレーザー照射のスピードも遅いです。蓄熱式に比べるとかなり時間がかかります。
3つ目は熱破壊式は黒い毛にしか作用しないので、白髪には効果がありません。
蓄熱式
「蓄熱式」は熱破壊式のデメリットを補う形で登場した、比較的新しい脱毛方法です。
熱破壊式と狙う場所は同じく、毛根周囲の毛を作る細胞(毛包幹細胞)です。狙う場所は同じですが、ダメージの与え方が違います。例えるなら、熱破壊式は一発で強いパンチを打つイメージ、蓄熱式は細かいパンチを連続して打つイメージです。一発の出力が抑えられ、分割させることで、熱破壊式よりも痛みが格段に改善されました。腕や足ではほぼ痛みを感じません。
また蓄熱式は熱破壊式よりも広い範囲をかなりのスピードで一気に照射できます。それにより施術時間も短縮されました。全身脱毛が一回の施術で全身当てられるようになったのは蓄熱式のおかげです。熱破壊式では時間がかかり、皮膚への負担も大きいので、1回の全身脱毛を4-5部位に分けて、それぞれ別の日に通って行うことが普通でした。以前は4-5回通って、やっと全身に1回ずつ当てられたというような状況だったのです。
熱破壊式 | 蓄熱式 | |
歴史 | 長い | 短い |
痛み | 強い | 少ない |
照射範囲 | 狭い | 広い |
スピード | 早い | 遅い |
まとめ
これだけ見ると蓄熱式の方が熱破壊式よりも優れているように思いますが、どちらも優れた脱毛方法です。日本美容外科学会による美容医療診療指針では、どちらの脱毛方法も効果がしっかりと認められています。
多くのクリニックでは2つの方式を部位によって使い分けています。VIOや男性のヒゲなど、脱毛が比較的難しいとされる部位には、熱破壊式を、その他の部位には蓄熱式を使用することが多いです。ワキも熱破壊式を使用するクリニックや、VIOも痛みの軽減のため、最初は蓄熱式を使うクリニックもあり、クリニック間で少しバリエーションがあります。
蓄熱式、熱破壊式いずれも効果の高い優れた脱毛方法ですので安心して脱毛を受けて下さい。